« XII.最終編4:ヒトミ、キレる。 | トップページ | 目次 »

XII.最終編5:グランドフィナーレ。

「怒っちゃダメ、ヒトミくん」
ぼくの右手前方の花道(いつのまにそんなもの?)の上に、またひとりあたらしい女の人・・・ツバサさん!

「学校の友達も、先生も、ダミーだったかも知れない。わたしも、その一人かも知れない。でも、ダミーにもこころはあるの、涙も出るの、たたけば痛いの、触れば濡れるの。みんなみんな、ほんとうの真心で、ヒトミくんと付きあってきたのよ」
そうならいいんだけど・・・。真心まで疑っちゃ、いけないのかも知れないな。

「『例の女』の最初の女に、まっ先に手を上げたのは、わたし。ヒトミくんの一番だけは、だれにも譲りたくなかった」
そう言ってもらえると、うれしいです。思いだしダチ、します。

「出会いかたなんて、星の数ある。席が隣になった。相手の定期券を拾った。おなじ刑務所に入っていた。ヒトミくんとわたしは、はじめはたまたま、こんなストーリーの中で出会ったけど、出会いかたが、そうだっただけ、じゃない?そこから先は、わたしたち二人がつくりあげたもの、じゃない?」
ツバサさんに言われると、そんな気がしてきた。ぼくは、ぼくは、ぼくは・・・。

「もう、女の人は、怖くないはずよ」
もう怖くない、どころか、、、好きだ。でも、いちども出してない。←しつこい。

「ヒトミくん、忘れてるみたいだけど、おめでとう」
おめでとう?あったっけ、おめでたいこと、、、あ、そうだ!

「今日はお誕生日でしょ?おめでとう」
そうだ、ぼくの22歳の誕生日、いろいろあったから忘れてた・・・満22歳!

「そう、あなたは自分のちからで、自分の運命を変えたの。もういちど、おめでとう」
ありがとう、でも、ぼく一人のちからじゃないよ。

「もう、いろんなこと、自分でできるはずよ」
ちょっとだけど、ちょっとずつ、だけど。

「わたしが、最初に、教えたの」
教訓①「考えるな、カラダに聞け」
ツバサさん、得意そうに、微笑んだ。ぼくの大好きな、あの顔だ。

「でも、ヒトミくんがしてきたことは、自分のためだけじゃないの」
ツバサさんの隣に、また一人・・・アユ!

「ヒトミくんは、わたしのコンプレックスを、取り去ってくれた」
アユは容姿に、自信がなかった。
でも、ぼくは彼女の、アノときの顔を、とってもきれいだと思った。
悪い方から見ると、だれだってブサイクだ。いい方から見ると、だれだってチャーミングだ。
だったら、いつもいい方から、見ればいい。
教訓②「女の顔は、ひとつじゃない」
「わたしに、生きていく可能性を教えてくれたの」
ありがとう、アユ、でも、そんなたいしたことしてないよ。
ねえ、泣かないで、ぼくも泣くのをがまんするのに、いっぱいいっぱいなんだ。

「そう、ヒトミくんは、わたしの凍っていたこころを、溶かしてくれた」
レイカ!見ないうちに、表情がとてもおだやかになってる。
レイカは、手強かったなぁ、機嫌の悪いアイドルなんて、ちょっとしたウェポンだ。
でも、教訓③「とにかく自分で動くのだ」
困難ほど、正面から当たれ、って教えてくれたのは、レイカだ、ありがとう。

「あなたには、人を癒すチカラがあるのよ、男でも女でも」
お久しぶりです、モモコさん!
「いまはもうそれに、気がついているわね?」
どうなんだろう、自分ではよくわからない・・・。
「返事しなさい!」
「はいっ」
モモコさんの、子供みたいな笑顔。
「さいきん、あたらしい恋をしているの。昨日の夜も、3ラウンド」
よかったですね、3発も!
「ちがうわよ、18×3=54ホール」
ゴルフですか!あと、、、ホールは、下品です。
教訓④「いつだって、いまが、いちばん」
ぼくも、いい恋ができるようにがんばります。モモコさん、ありがとうございました。

「こんにちは、ヒトミくん」
こんにちは、マチコ。今日は、シルビアじゃなくって、マチコだね。
「シルビアは、やめちゃったの、でも、女王様はたまにやってる。男の人が憎いって思わなくなったから、いまは、愛のムチ、むしろ本気、だけどね。こっちのほうが痛いよー、ためしてみる?」
遠慮しとくよ、でも、明るくなったね、うれしいよ。
教訓⑤「すべてを肯定してみよう」
これからもがんばろうぜ、マチコ、おたがいに。

「ヒトミくん、わたしたち覚えてるぅ~?」
ユミさんとマミさん、忘れるわけないじゃないですか。
「元気に浮気してしてますか?」、、、へんな質問。
「それがねー、もうすぐ浮気妻選手権の世界大会だから、その準備で浮気してるヒマなくて」
と、ユミさん。難しいもんなんですね。
「ヒトミくんも、早く彼女つくってね」
と、マミさん。ありがとう。努力します。
「そうしたら、ヒトミくんも浮気できるよ」
そういう意味なんですか。
「ヒトミくん、ファンタジスタやカエルさんに、頼ってばかりじゃダメよ」
耳が痛いです。
教訓⑥「人に頼るな」
「だから、ファンタジスタ、わたしにちょうだい!」
「わたし、カエルさん!」
、、、あげませんよ。

「・・・ヒトミくん」
・・・ミカ。
「・・・かくしてた・・・わたし・・・ごめんなさい」
もう、怒ってない、わかった、ほんとうにわかったよ。
「あん、なに、あんな、に、好き、だったのに、好きだっ、たのに・・・」
ミカ、もう泣かないで、好きな人にかくしごとをしなくちゃいけない、って、つらいよね、それがその人のためだって、せつないよね。
ぼくが、ミカだったら、きっと、そうだ。
「・・・好きだった」
知ってるよ、だからもう、だいじょうぶ。
みんなの愛情で、友情で、見えないところで献身的に支えてくれた、たくさんのだれかのおかげで、ぼくはすこしだけ、やさしくなれた、泣かなくなった、きっと、それは、成長ってことだろう。
ぜんぶ、すこしだけだけど、でも、明らかにちがう。
ぼくのこころの中には、みんなへの感謝しかない。
おかあさんの病院がにせものでも、ぼくの高校がつくりものでも、そんなことは、それだけのこと。
だって、みんな、ここにいるじゃないか!だから、ミカ、もう泣かないで。
「ミカは、ひとつだけ大きな間違いをしている」
ミカが、泣くのをやめて、ぼくを見つめている。
「好きだった、って、過去形じゃないでしょ?」
ミカは、笑顔が涙でぐしゃぐしゃだ。
「ミカ、また、いつか、会えるよね」
教訓⑦「永遠なんて、ない」
でも、未来は、ある。
ミカは、微笑んだ。そして、うなずいた。

「その節は、お世話になりました」
タマキさん、その後、いい出会いはありましたか?
教訓⑧「思い出は多いほうがいい」、増えました?
「好きな人ができたんだけど、ふられちゃった」
どうしてですか?
「彼、亡夫との3Pを嫌がったの」
そりゃふつう、よろこびませんよー。
「でも、わたし、もうだいじょうぶみたい。ヒトミくんが、前に向かって生きることを、思い出させてくれた。忘れられない、まいにちにする。ほんとうに、ありがとう」
こちらこそです、ありがとうございました。

「ヒトミ、すてきナ、パーティーね」
ソフィア!わざわざ来てくれたんだ、遠いところ、ありがとう。
ソフィアには、とってもたいせつなことを、教えてもらったんだ。
教訓⑨「人はちがう、だからわかりあいたい」
「ワタシ、もっと、ニホンのウタマルとわかりあいタイ。ヒトミとも、もう2,3パツ、わかりあいタイ」
、、、あのね、それじゃ、わかりあう=スルって意味でしょ?
せっかく、たいせつなことって、言ったのに、それと、なんども言うけど、(誤)ウタマル→(正)ウタマロ、だからね。アンダスタン?
ソフィアは、いたずらっぽく笑っているけれど。

「わたしのはじめての男性、こんにちは」
そう言われると、照れくさいよ、サクラコ。
「ヒトミくんに、文句を言いに来たの」
なに、こんどは真逆にいきなり。
「あれからわたし、だれともエッチしてないの。自分でも、してないの。現実でするより、想像のほうが気持ちよくなっちゃったの」
教訓⑩「想像力には、チカラがある」
「触らなくても、イッちゃうの。こういうのどう思う?これって、女の幸せ?」
、、、あ、それ、ちょっと、わからないな。。。
「責任とってよ、ヒトミくん」
いいよ、サクラコの想像の中でね。
「冗談、はじめてが、ヒトミくんでよかった、感謝してます」
感謝するのは、ぼくのほう、ありがとうサクラコ。また、手をつないで、家に帰ろうな。

「、ってことなんだけど・・・黙ってたのは、悪かったと思う、でも」
「もういいよ、わかったよ、おとうさん」
おとうさん、って、やっと言えた。

ぼくは、ぼくは、ぼくは、ずっと、ずっと、ずっと会いたかったんだよ、おとうさん。
おとうさん!おとうさん!おとうさん!おとうさん!おとうさん!おとうさん!
なんどでも呼びたい、おとうさん!でもほんとは、おかあさん。。。
でもいいんだ、そのほうが、いいんだ。
おとうさん&おかあさん。おかあさん&おとうさん。そして、ぼくの大好きなおかあさん。
ほら、5人いる!ふつう、おとうさんとおかあさん、ふたりしかいないのに。2.5倍!きっと、愛情も、2.5倍。ありがとう、ぼくは幸せです。

「おとうさん、素朴な質問なんだけど」
「いいよ、なに?」
「さっき、お金もかかっちゃうし、って言ってたでしょ、どのくらい?」
「ヒトミは気にしなくていいよ」
「教えてよ、参考にするから」なんの参考だ?
「200億くらい、おこづかいなくなっちゃった」
2、2、2、200億!
「バイトしなきゃ」
どんなバイト?

「そんなことより、それで、オマエ、どうする?」
「どうする、って?」
「わたしたちは、オマエに、男として生きろ、と言ってるんじゃないよ。男でも女でも、どっちでもいい、ただ、自分の意思で、選んで欲しい。わたしたちは、そうじゃなかったから」
「ありがとう、わかりました。でも、もうちょっと、時間もらっていいかな、まだ混乱してるから」
「OK,もちろん、じっくり考えろ」
ありがとう、ほんとにありがとう、おとうさん。

「ヒトミ、元気でな、また会おう」
おとうさんも、お元気で。

「ヒトミ、また、会ってくれるよね」
あたりまえじゃない、おかあさん。ぼくら、家族だよ。

「恋せよ!愛せよ!生きろ!ヒトミ!」
おとうさんのその叫びとともに、すべての照明が落ちた。

そして数10秒後、おだやかな暖色の光が、ホールに満ちた。
映画やコンサートが終わったあと、「これをもちまして、レッド ホット チリペッパーズ 東京公演はすべて終了いたしました」、ってときの、照明だ。

あ、おかあさん!いつもの、やさしい笑顔。
「おかあさん、なにか食べに行こうよ。ぼく、おなかすいたよ」

SEE YOU AGAIN

~ 完 ~

|

« XII.最終編4:ヒトミ、キレる。 | トップページ | 目次 »

コメント

連載お疲れさまでした!

うどん食べながら泣きました!

投稿: カミオカ | 2008年2月19日 (火) 16時56分

エロいだけじゃない!あったかくて、前向きな気持ちになりました。

「永遠なんて、ない」
でも、未来はある。
なんかね、ちょっと私も頑張りたくなりましたよ。
恋して、愛して、生きてみます(*^o^*)

ヒトミくん、そしてヤマモトさん、おつかれさまでした!!
(プロ魂、見せつけられました)

投稿: ワンワン | 2008年2月20日 (水) 05時44分

なんか、ぐっときた。

投稿: ある女 | 2008年2月20日 (水) 14時05分

あーーーーもうヒトミくんの必死な戦いは見られないんですね。。。寂しいですdown
でも…連載お疲れ様でした!更新をいつも楽しみにしていました!次回作もチェックしますね!

投稿: ブラッキ | 2008年2月21日 (木) 18時20分

いまいちだね。完成度が低いね。
次に期待するとします!
まぁこれからも暇みてがんばってみてよ!健闘祈ります!

投稿: 某出版社職員。 | 2008年3月21日 (金) 23時43分

面白かったです!セリフ回しが上手いです。メールの参考になります(笑)

投稿: さと | 2008年3月22日 (土) 19時15分

上手いです!
なんか、よんでたら、次に引っ張られていって、最後まで読んじゃいました。
おつかれさまでした゜!

投稿: 愉快な現象 | 2008年4月14日 (月) 00時21分

自分の中の「ヒトミくん」を解放したかったんだろうなぁ…。<高史サン


おつかれさま。

また、いつか。

投稿: 銀座ホステス | 2008年4月23日 (水) 18時40分

エロ、ユーモア、教訓ありのとてもいい話でした。
最後まで「ヒトミくん」はイケなかったけどそれ以上のものを得ているからそれは未来のおたのしみということで。

でも今日は誕生日。からだのほうはどうなっちゃうんでしょう。
とんでもない財力でもどうにもならなかったことだから
からだの変化は止められない。
ならば巨費を投じてでも息子の心を変えてあげたかったということですか。

投稿: 白線 | 2010年9月 8日 (水) 17時49分

ダメだこりゃ

投稿: わ | 2010年11月 3日 (水) 14時19分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« XII.最終編4:ヒトミ、キレる。 | トップページ | 目次 »